10年正月 : シェムリアップ 〜 アンコールのための街 〜
親孝行は出来るうちにしておこうと思い、
思い切って母親と二人で旅に出た。
出発前はいろいろと心配事もあったのだが、バンコクに着いた母はいつも以上に元気で、
その後は何も心配する必要がなくなった。
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あの有名なアンコール・ワットはカンボジアのシェムリアップという街にある。
もともとアンコールワットはジャングルの中にあったのだが、
フランス人によって再発見され観光地として開発された。
つまり、この街は観光のためにゼロから開発されたのだ。
そのため、街中、外国人ばかりだった。
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そのため、このシェムリアップ、リゾートとして考えてもかなり快適だった。
土産物屋は押し売りをあまりしないし、物乞いとかもあまりいない。
食事は観光客が来る様なところならほぼ外れは無い。
(もともとフランス領だったので食事がうまいというのもある。)
ホテルのサービスも外国人観光客を研究し尽くした感じがした。
道はまっすぐできれいだし、遺跡群はそんなに離れてなくて自転車でも回れる。
海がないのが欠点だが、ゴルフ場やプールも充実してきている。
(湖やダムで泳げるようになったりするのだろうか?)
現在は、韓国が直行便があるため韓国人が多いが、
日本にも直行便が出来れば日本人が一番多くなるだろう。
いずれにせよ、そのうち、プーケットやサムイにいくような感覚で
シェムリアップに観光客が集まるようになるだろう。
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貧しい国、カンボジアにとっては、GDPに占めるアンコール関連の観光収入が
余りにも多くて国家を挙げて力を入れているのだろう。
そのため、シェムリアップは他の地域とは別世界のようだ。
つまり、私は、シェムリアップには行ったが、到底、カンボジアに言ったとは言える状況でない。
それは、グアムに行ってもアメリカのことはサッパリ分からないのと似ている。
ところで、インドではインドがヒンドゥー教なのに、イスラム教の遺跡が多かった。
カンボジアは仏教なのに、ヒンドゥー教の遺跡が多い。
宗教間の侵略はそれだけ広範囲でダイナミックに行われているということだ。
日本はといえば、特に宗教観を持っていない(強いて言えば儒教)なのだが、
遺跡は確かに寺、つまり仏教のものが多い。
そういえば、トルコはイスラム教であるが、観光地は教会、つまりキリスト教のものも多い。
中南米は今はキリスト教だが、遺跡は古代文明のものが多い。
ヨーロッパを中心として外へ外へドミノ倒し式にずれている。
この波の中心地は、バチカンということだろうか?それとも実はエルサレムなのだろうか?
それは良く分からない。
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話を戻そう。シェムリアップの遺跡群は過去の人間による破壊も受けているが、
自然によって破壊された部分も大きい。
石の建築物を破壊しながら成長するジャングルの木々には圧倒された。
そう、人間が自然を破壊することもあれば、自然が人間の築きあげたものを破壊することもある。
そして破壊された建築物は今度は木に寄りかかって立つことになるため、
木を切れば建築物はもっと破壊されることになる。
まさに、破壊を通じて、結果、自然と建築物が共存した形になっているのだ。
シェムリアップの木々は、日本では見られないほど高く、太く、たくましい。
自然の偉大さを改めて感じざるを得なかった。
あと気になったのだが、世界にはいっぱい貧しい国があるのでに、
カンボジアへの先進国からの支援というのはやたらと多い。
学校を作ったり、病院を作ったりと。
カンボジアは確かに貧しい国だけれども、もっと貧しい国はたくさんある。
私が今までに行った国の中ではカンボジアはましな感じがしたし、
インドのほうが全然、支援すべき地域がたくさんあったように思うのに、
インドへの支援は本当に少ないように思えた。
このアンバランスはどこから来るのだろうか?
貧国としてカンボジアが有名だからだろうか?
そんなことも考えさせられた。