09年春 : ドバイ 〜 イビツな税制と幻の富 〜

結婚して2年になるが結婚後初めての旅行ということで、新婚旅行となった。
ドバイ。ドバイはUAEに属する、ものすごい都市。
”ものすごい”というのはどういうことかというと、説明が難しい。
似たような都市を思いつかない。

人口が多い大都市か?と言われれば違う。
何か大きな産業があって栄えているのか?と言われれば違う。
物価が高いか?と言われればホテル代以外は高くない。
大きなビルが立ち並んでいるのか?と言われれば、とてつもなく巨大なビルが立ち並ぶが密集しているわけではない。

普通、高層ビルというのは土地が少なくなってから建設を検討する。
高層ビル群というのは土地が手狭になってから出現する。 
それが経済合理的といえる。だだっ広い所に高層ビルが建つということは、合理性を無視した、
なにかおかしいことが起きているといことになる。なので、通常はこんなことは起きない。
いや、起きてはならないのだ。

しかし、ここに起きてはならないことが起きていた。

高さ819mのビルがうっすらと見える。車で30分は走ったにも関わらず見える。
蜃気楼のように見える。

砂浜に立つ巨大ビル。東京タワーと同じ高さの巨大ホテルがそびえたつ。
なにか、幻のような、夢のような、、、、不思議な、、、そんな光景、、、、。

ドバイには基本的に税金がない。そして外海とつながる川があり、物流に便利であった。
そのため、多くの商売人が集まった。
それがドバイ繁栄の始まりである。
土地はすべて王国の所有であった。土地はいくらでもあった。
王国は税金を取らなくても土地を売るだけで儲かった。
王国の収入は土地の売却益であった。

イビツな税収、、、、。

王国は、土地の価値を高める方法を知った。建物を建ててから売るという方法だ。
よい建物を建ててから売ると高く売れる。賃料を取れる。
もっと良い建物、他に例を見ない建物、世界一の建物、、、、どんどん土地は値上がりした。

王国は儲かると建てる建物がもっとエスカレートした。何か加速していった。

不動産価格が上昇すると投機マネーが流入した。
投機マネーは不動産価格のさらなる上昇をあてこんだ。
一説によると、新発売のマンションの8割以上が投機マネーで売れた時期もあるという。

世界一の建物、買うのは投機マネー、誰も住まないマンション。
実態のない幻のような投機マネーが作り出す、実態のない幻のようなマンション。
幻の値上がり、、。

幻の富、、、、。

幻の富だけが増幅されていった。

 

しかしながら、実態のある産業として唯一、観光産業が生まれた。
世界遺産も歴史的建造物も、珍しい自然もない。
幻ではない富として、観光産業が生まれたのは間違いない。
投資額以上の、収入が見込めるかどうかは不明であるが…。

そんなわけで、他にはない、観光の楽しみがここにはある。

 宿泊したホテルも遠くから蜃気楼のように見える。

車で1時間も走ると360度、砂漠。

ショッピングモールの中には巨大な水槽。サメも飼っている。

ショッピングモールの中にはスキー場もある。

スケートリンクも。

ホテルの近くにはビーチもあった。プールもあった。

一日に、海で泳ぐ、砂漠に行く、スキーをする、スケートをする、、、なんてことも余裕で可能。

そんな、ドバイ、、、。

近く、また行くことになるであろう。